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re-visit #3 大原野




田畔さんが「もういちど話しがしたい」と言ってくれたので、再び、大原野へ向かってみた。





竹薮のなかを歩いていると、自然とあしどりが、ゆっくり進めているのがわかる。すこし遠くを眺めながら、風が吹けばさらさらと鳴る葉の音に、耳を澄ませているからか。ひっそりと佇む鳥居を抜けると、溜池が現れて、水面はまるで鏡のように反射していた。その光景をまえにしたとき、自分の心臓に近いところに、部屋ができた気がした。その部屋の扉を開けると、なかは広大で。竹薮があって、歩いていくと溜池がある。ぼくはまたときどき、その部屋へ戻ることができるかもしれない。できるんだとおもうと、なぜだかホッとした。




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