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re-port#1 岩倉



夕刻の駅に降りて、すこしのあいだ佇んでみることにした。



「わりと静かなところやな、あそこも––」



季節はずれの、蝉の抜け殻を見つける。



室外機と、目があったような気がした。



草むらのなかに、なんとも言えない表情をした遊具が。まるで埋まっているようだった。



たくましい草花に遭遇すると、果てしがない気持ちになる。



ここに来なければ、あなたに出会わなかった。しかし、ここに来てしまったから、あなたに出会った。



だれか、畳んだひとがいるのだろう。



夜の湿度が漂いだす。鼻をつく、空気のかんじが、どことも似ていない。人工物と、もともとそこに在ったものとの融合が、三半規管を刺激して、すこしふらついた。そういえば、子どもたちの声が聴こえない気がした。犬と、散歩しているひとはときどき横切るけれど。








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