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re-port#6 深草



ほそい橋を歩いて、川を渡った。



水面にぼんやり、憂鬱に映る町を、眺めていた。



「ずーっとここまでアパートが建ってたんです––」



かつて、ここに流れていた時間は、どういうものだったんだろう。



日が暮れてきて、すこしずつピンク色に染まっていく。雲は、あるようでないような、そのほかの色にとにかく滲んでいく。まもなく、暗闇が訪れる予感がする。かたちが、かたちを成さなくなる時間まで、あとすこし。それらすべてを背に、ふたたび改札へと吸いこまれていく人々。







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