re-port#6 深草
- mumgypsy
- 2023年3月10日
- 読了時間: 1分

ほそい橋を歩いて、川を渡った。

水面にぼんやり、憂鬱に映る町を、眺めていた。

「ずーっとここまでアパートが建ってたんです––」

かつて、ここに流れていた時間は、どういうものだったんだろう。

日が暮れてきて、すこしずつピンク色に染まっていく。雲は、あるようでないような、そのほかの色にとにかく滲んでいく。まもなく、暗闇が訪れる予感がする。かたちが、かたちを成さなくなる時間まで、あとすこし。それらすべてを背に、ふたたび改札へと吸いこまれていく人々。

Kommentare